Master’s Story #25
バリでのシルバージュエリー制作を見ていて、
ひとつ、不思議に思ったことがありました。
ストーンとシルバーは、
どうやってあのぴったりとした形に合わせているのだろう、と。
完成したジュエリーを見ると、
隙間なく、美しく収まっています。
最初は、
「ストーンを削って調整しているのかな」と思っていました。
けれど——
実際は、その逆でした。
ストーンに合わせて、
シルバーのほうを形づくっていく。
ひとつひとつの石に合わせて、
枠をつくり、整えていく。
とてもシンプルなことのようでいて、
精度と経験がなければできない仕事です。
石を“合わせる”のではなく、
石に“寄り添う”ように、かたちをつくる。
その発想に触れたとき、
この土地で長く受け継がれてきた
シルバーの文化の深さを感じました。
だからこそ、
あの自然で、無理のない美しさが生まれるのだと思います。
目に見えない部分にこそ、
その違いは、静かに現れているのかもしれません。


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